上映報告
2016年11月14日
清水哲男さんが、ユジク阿佐ヶ谷に来てくださり、映像歳時記「鳥居をくぐり抜けて風」を観てくださいました。
そのあと、映画を観て俳句を作るという映画館吟行句会を開催。
清水さんは、麻婆豆腐をよく召し上がり、ビールも煙草もいいペースでした。
写真は6人の美女に囲まれて、お茶目な1枚です。
思えば、清水哲男の「増殖する俳句歳時記」に、四年半書かせて頂いたおかげで、この映画を映像歳時記として、完成させられました。
一つ一つの結び目が、注連縄のようにつながっています。
清水哲男の「増殖する俳句歳時記」→http://www.longtail.co.jp/~fmmitaka/
於:ユジク阿佐ヶ谷
清水哲男主宰
映像歳時記「鳥居をくぐり抜けて風」を観て、
俳句を作る、映画館吟行句会。
タイムスケジュール
11:00~12:10 映画を鑑賞する。
12:10~12:40 投句。
12:40~13:00 清記とコピー。
13:00~15:00 中華料理「青松」で、食事、ビール、選句、選評。
参加者
清水哲男(詩人 余白句会・増殖する俳句歳時記主宰。俳号赤帆)
香田なを(俳人 はるもにあ会員)
明子(俳人 はるもにあ会員)
のりこ(俳人 はるもにあ会員)
舟(武蔵野美大四年)
さんた(北里大一年)
小笠原高志(映画製作・俳号心太)
服部千恵子 (オブザーバー。選句のみ。CMディレクター)
天(14点) しろがねの月打ち上げる火の粉かな 赤帆
地(8点) 神留守の水あふれだすスクリーン のりこ
人(7点) 夏の蝶色ある風の行方かな なを
(5点) てのひらのなかの焰(ほむら)や梅雨茸 なを
(4点) 雲流れ稲穂の中の鳥居かな 明子
(4点) 火焚から産声のして震るる月 舟
(3点) 寒月や男火祭見守りぬ 心太
(2点) 松明の走り抜けたる寒北斗 なを
(1点) 半纏の背に「は」の一字御神渡り なを
(0点) 風が吹き麦がゆらゆら秋の暮れ さんた
清水さんの「しろがねの」は、六人から票をあつめて、断トツでした。
「月」に「しろがねの」と形容するところが非凡です。
また、「打ち上げる」という動詞の使い方は、まったくもって考えつかない詩の言葉です。
この俳句が、映画に対する清水さんからの最高の讃辞。
ありがとうございます。ちなみに、もう一句作られていて、「今日が暖かかったら、こっちを出したかも」と。
股のぞきしてみる鳥居小春日の
いや、これもすごいですね。股と鳥居が繫がっています。
しかも、俳味がある。
のりこさんの「神留守の」は、映画に対する挨拶句として、私は天に入れました。
大きな河の流れは信濃川ですが、池田監督が裸になって河の真ん中まで入り、命がけで撮影したシーンです。
「水あふれだすスクリーン」。これは、一緒に映画を観ていないと何がなんだかわからないよね、と清水氏。
映画館吟行句会は、かりそめの身内です。
「夏の蝶」の「色ある風」が色っぽいですね。
今回は、映画を観て、一句を作るという句会なので、季節は自由。
これはこれで、面白い試みでした。
この映画を観て、私も句会は四回目。他の句会も会わせると、ユジクの映画館句会は十回くらいやっていることになります。
こんな試みをずっーと続けていきます。
ユジク阿佐ヶ谷を、映画館吟行句会の拠点にします。
なお、今日は、映像作家の鷺山啓輔君が観に来てくれました。
「エンターテインメントが成立していますね。肺がきれいになった気がします。」
かつて、予備校の映像学科で教えた生徒から批評されるのは、とてもうれしいことです。
人力で空を飛びつづける川上史也君も久しぶりに顔を見せてくれました。
なつかしいな。
プロデューサー・小笠原高志